たき火~詩・ひとりごと

そのゆらめきは妖しくも優しい

健忘症

最後にきみと話したのはいつだったかな。

思い出せない。

昔のことはのっぺりした一枚紙に一緒くたに貼り出されて、

時系列がはっきりしないんだ。

確かなのはぼくはきみと話したことがあって、

思えばそれはとても特別な時間だったってこと。

 

それであの時何を話したかな。

思い出せない。

内容なんて大抵はあってないようなものだから、

誰と何を話したって。

でもきみにはとても大切な話があった気がする。

ぼくらにとって何か決定的な話が―。

 

ああそうだ―。

あの時、ぼくは確かに伝えなくちゃいけなかったんだ。

でも何を?

 

ぼくらはいつだって大事なことを忘れてる。