最後にきみと話したのはいつだったかな。
思い出せない。
昔のことはのっぺりした一枚紙に一緒くたに貼り出されて、
時系列がはっきりしないんだ。
確かなのはぼくはきみと話したことがあって、
思えばそれはとても特別な時間だったってこと。
それであの時何を話したかな。
思い出せない。
内容なんて大抵はあってないようなものだから、
誰と何を話したって。
でもきみにはとても大切な話があった気がする。
ぼくらにとって何か決定的な話が―。
ああそうだ―。
あの時、ぼくは確かに伝えなくちゃいけなかったんだ。
でも何を?
ぼくらはいつだって大事なことを忘れてる。