たき火~詩・ひとりごと

アウトプットのためのアウトプットです

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

酒飲み人

さあさあ、今日も一日ご苦労さん 週の真ん中通り過ぎ お休みまではあと三日 それからそれも通り過ぎたら お休みまではあと六日だ 今夜もこいつを飲みほして 頭のゴミを吐き出しちまおう 頭がからっぽなら怖いものなし すべてが自然の産物になる 不自然が一番…

前髪

何でだろう きみの前髪がぼくの顔にかかって かゆくてしょうがない 横にきみがいて 無防備な寝息をたてていて ふたりは今ひとつのはずなのに かゆくてしょうがないんだ 完全な世界に生じた一点のシミが 徐々にぼくらの空間を蝕んでいく 気がつけば時計の針は…

健忘症

最後にきみと話したのはいつだったかな。 思い出せない。 昔のことはのっぺりした一枚紙に一緒くたに貼り出されて、 時系列がはっきりしないんだ。 確かなのはぼくはきみと話したことがあって、 思えばそれはとても特別な時間だったってこと。 それであの時…

愛のテーマ

愛を着飾る所有欲 奉仕という名の悦楽 寛容に潜む余裕 楽天家に滲む悲哀 信頼と貼られた非常口 すべてコンビニのゴミ箱に棄ててこよう 華麗な手つきで 誇らしげに堂々と それからもう一度戻ってみて まだ処分されずに底の方に埋もれていたなら 今度は掻き出…

土の匂い

遠い記憶の片隅に 置き忘れてしまったものがある気がする それは私にとってなにか決定的なものでかつて私の一部だったような気がするなにか 雨の日にわき立つ土の匂いに脳を刺す電車の発車ベルに踊るような少女のステップにそいつの影を見た気がしてハッとす…

モグラ

想いは空に吸い込まれ 足はぬかるみに沈んでゆき もがくほどに沈んでゆき 煙ばかりが吐き出されるのです 両の手で掻き集めた宝物は こぼれ落ちこぼれ落ち 網の目の粗さを嘆くばかり 陽に目をしかめ月に涙し 雨に打たれてぼんやりと そして今日もモグラは穴倉…