2015-05-20 たき火 詩のようなもの たき火が燃えている そのゆらめきは妖しくもどこか優しい 人の内部にすっと入って知らぬ間に出ていく巧みなスリの手口のようだ たき火が燃えている ぼくはたき火に飲み込まれまいと必死に抵抗する ぼくの中にたき火がいるのかたき火の中にぼくがいるのかぼくがたき火を見ているのかたき火がぼくを見ているのか さあ 果てのない問答をしようじゃないか 静かな炎の使者よ暗闇に浮かび出たもう一人の自分よ