2015-05-20 山~多摩 詩のようなもの あるがままただあるだけで なすがままただ風に吹かれて 凛々しい横顔に陽を浴びながら ぼくを見下ろし続けるおまえ 時に母性を たまに父性を見出し 憧れと畏れの対象であったおまえ 変わらないもの 変わり続けるもの おまえは全てを包含して ぼくの前に立ち尽くしている
2015-05-20 ひとり 詩のようなもの いつかきみと歩いた道を 今日はひとりで歩いてる あの時きみと見た景色 今はひとりで眺めてる ひとりで感じた侘しい愉悦 ふたりで作った親しい郷愁 どちらも味わえる喜びに 時間の切れ目にきみを思い出そう 乾いた風が心地よく 何もなくて全てが満たされた世界 きみといた時 ぼくはもっとひとりだった
2015-05-20 たき火 詩のようなもの たき火が燃えている そのゆらめきは妖しくもどこか優しい 人の内部にすっと入って知らぬ間に出ていく巧みなスリの手口のようだ たき火が燃えている ぼくはたき火に飲み込まれまいと必死に抵抗する ぼくの中にたき火がいるのかたき火の中にぼくがいるのかぼくがたき火を見ているのかたき火がぼくを見ているのか さあ 果てのない問答をしようじゃないか 静かな炎の使者よ暗闇に浮かび出たもう一人の自分よ